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50過ぎての映画「ベニスに死す」鑑賞 船澄璽・ボガードの演技が面白い

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    JUGEMテーマ:洋画

     

    先日「ベニスに死す」を、初めて映画館で観ました。

     

    この作品が日本で公開されたのは、多分1972年だったと思います。当時の日本では、洋画が公開されるのは本国より1年遅れが当たり前でしたので。

    当時私は映画館などない田舎の小学生でしたので、この映画のことは全く知りませんでしたが、タジオ役のビョルン・アンドレセンが明治チョコレート「エクセル」のCMに出ていたのは知っていましたし、同年暮れに、自身のプロモーションの為に来日して、TVの歌謡番組で「永遠に二人」を歌っていたのも覚えています。

    歌謡番組での、素のビョルンというのは、細っそりとした長身で、長く伸ばした金髪の巻き毛は無造作にクシャクシャで、人の良い素朴な北欧のオニイチャンという感じでしたっけ。

     

    そのオニイチャンが、魔性の美少年を演じていたと知った時には、正直私はビックリしました。

    確か私が初めて「ベニスに死す」を観たのは、1976月の、解説を淀川長治がやっていた「日曜ロードショー」だったと思います。

    あのクシャクシャな長い金髪のオニイチャンが、髪をセットしてスプレーで固め、口紅とアイシャドウと頬紅で化粧して、老芸術家を破滅に導くさまを見るうちに、いつの間にか私はこの作品の虜になっていましたっけ。

     

     

     


     ベニスに死す/オリジナル・サウンドトラック盤
     

     

     

    さて、若い頃にTVのロードショー番組を観て、ビョルン・アンドレセンに夢中になっていた私が、60近い年になって、初めて映画館で「ベニスに死す」を観たわけです。そこで気になったのが、アシェンバッハを演じるダーク・ボガードの演技でした。

     

    ダーク・ボガード演じる作曲家アシェンバッハは、健康を損ね、特に心臓が良くない、と診断されて、ドイツからイタリアのベニスに静養に来る。静かに過ごす為か、一人旅で。

    ホテルに着くと、「プロフェッサー・アシェンバッハ」と呼ばれ、最上級の部屋に通される。

    おそらくホテルもまたベニスでは最上級なのでしょう。最初の夕食(晩餐と言った方がいいでしょうか?)の為にドレスアップするアシェンバッハに、私はビックリしました。

    ポケットチーフを無造作に上着のポケットに突っ込み、ろくに鏡も見ない様子で、ドレスシャツのカラー(衿)を締める。

    そんな風にして、端正に身なりを整えてしまうんですね。アシェンバッハという人は!

    この人物は正装をすること、身なりを端正に整えることに慣れている、という演技を、ダーク・ボガードは見事にやってのけます。

     

    そして、高級ホテルや両替所の支配人等に対しては、ごく普通に対応出来ているようですが、スリやかっぱらいで有名なイタリアの観光地である、ベニスの群衆の中に1人でいる時のアシェンバッハは、全然馴染めず、子供のようにオドオドしています。

    ホテルの内装は、ヴィスコンティ監督自身のものや、友人知人の貴族の持ち物を借りたという立派な調度で飾られていますが、イタリア式に装飾的なものが多過ぎて、かえって俗っぽく見えます。

    そんなホテルのホールに集まった宿泊客も、身なりは立派でありながら、仕草や表情がどこか粗野であったり俗っぽかったり。

     

     

     


     ヴィスコンティ秀作集 1 ベニスに死す 
     

     

     

    静養に来たというのに、アフリカからの高温多湿な季節風のおかげで体調はすぐれず、ベニスのホテルも街もどこか俗悪で、容易に馴染めそうにない。

     

    そんな中でアシェンバッハは、ポーランド貴族の家族に目を止めます。

    眼鏡をかけた家庭教師の女性と共に母親を待つ、尼僧めいて見える程に地味に抑えた服装と髪型の3姉妹と、ひときわ背の高い、金髪の巻き毛を長く垂らし、白い瀟洒なセーラー服を着た、華奢な美少年。

    遅れて来た母親は、貴婦人という言葉そのもののような女性。

    ビョルン・アンドレセン演じる美少年タジオから、アシェンバッハは目が離せなくなります。

     

     


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