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もの書きになれば良かったのに…斎藤澪奈子

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    ヨーロピアン・ハイライフ―青春のロンドン、フィレンツェ (中公文庫)

     

    斎藤澪奈子はもう15年も前に亡くなった人です。

    バブル崩壊直後の90年代初頭に、突然ゴージャス及び知的路線の女性誌に登場し、「ポジティブ・シィンキング」を提唱した、身長172僖皀妊詈造離廛蹈檗璽轡腑鵑離粥璽献礇垢塀性でした。

     

    当時紹介されていたプロフィールというのが、

    「実業家。1956年、東京・目白生まれ。ロンドン大学物理化学科、フィレンツェ大学美術科を卒業。10年間のヨーロッパ生活で、上流社会の華麗なライフスタイルを得て85年帰国し、斎藤オフィス設立。 …… 英仏独伊西語に堪能。趣味はセーリング、乗馬、マーシャルアーツ。著書に『ヨーロピアン・ハイライフ』『愛のポジティブ・シンキング』。独身。」

     

    実際には、ロンドン大学、フィレンツェ大学共に在籍した形跡がないこと。「私の名はミス・ミナコ・サイトウ。ヨーロッパの上流階級ではよく知られた名前です。」 というようなことを言っていましたが、実際に取材してみると、「ミナコ・サイトウなんて聞いたこともない」という返事が返ってきたことを、当時の週刊誌にすっぱ抜かれています。

     

    また、彼女の実家は東京の西の方、確か西東京市だったようですね。

     

    斎藤澪奈子の経歴詐称は、私自身もそうですが、ファンの女性達は最初から気付いていたと思います。 

     


    ヨーロピアン・ハイライフ―青春のロンドン、フィレンツェ

     

    私が最初に手にしたのはこの本ですが、一応実体験を綴ったものということになっています。

    しかし、読んでみると、首を傾げずにはいられないような話が次々に出てきます。 

     

    例えば、彼女は高校卒業後にイギリスに留学したことになっていますが、イギリスに渡ったのは17才の時らしいのです。 

    彼女は早生まれではない、10月生まれです。 

    この本によれば、ヨーロッパの入学時に合わせて彼女を卒業させる為に、高校3年の始めに特別な補習を学校側がしてくれて卒業扱いにしてもらい、5月にチェルシーカレッジの留学生向けの講習を受けに渡英し、9月にはロンドン大学に入学したというのですが…。 

     

    そんなこと昭和40年代の日本の学校で、あり得たとは思えません。 

    むしろ、高3の始めに補習を受けて語学留学に行ったが、ヨーロッパが気に入った彼女がそのまま帰らなくなってしまった。高校の方は私立だった為、何とか卒業扱いにしてもらえた、とか、あるいは彼女が年齢詐称していて、本当は高校卒業後に渡英したとか考えた方が自然な感じがします。

    皇族でも旧家の出でもなさそうな彼女が、ヨーロッパの上流階級にコネクションを得たのが、イギリスの英語学校だったとしても、おかしくはないように思えますが。 

     

    イタリア留学となると、読んでてひっくり返りそうな話になります。 

    イタリア語を全く習ったことのない彼女は、ほんの数ヶ月のレッスンを受け、しかも自習時間は1日1時間足らず、という状態でイタリア語を見事習得したことになっています。そうしてフィレンツェ大学に入ったというのでしょうか。

    …あり得ないでしょう。 

     

    イギリス留学時には、小学校の頃から英語を習い中学の時にはやはり英語の得意な友達とペラペラ話していた、という彼女が、授業について行くのが難しくて、朝早く登校して自習しなければならなかったと書いているのに…。 

    おそらくイタリアは留学ではなく、イギリスで知り合ったイタリア貴族の食客という形で滞在していたのでしょう。 確か、雑誌のインタビューで、 「イタリアのアッパーの館には食客がいる。食客がより遠い国出身であれば、よりアッパーと見なされる。」 というような話をして、 「私などステイタスシンボルのようで…(笑)」 なんて、こっちが苦笑するようなことを言っていたのを憶えています。

     

    それに彼女の本には不必要なカタカナ英語が多い。「アンカインドなリアクション」といった。 数ヶ国語を話すにしては不自然な感じがします。

    語学が好きな人は、日本語も大切にするものですし。 

     

     


    超一流主義

     

    また彼女は、アッパーはしっかりフルメイク、を提唱していました。 

    私も、彫りの深い綺麗な顔の女性がしっかりメイクしてるのは、好きなんですが… 

    普通アッパーなら、浮いてしまう鮮やかなブルーやピンクを、30過ぎた大人の東洋人女性は使わないんじゃないかと…

     


    黄金の母性主義

     

    雑誌のグラビアを見るたび、 「この人モロクロ写真の方がきれいだな〜。」 と思ってましたっけ。 

     

    ミニスカートより長く伸びた髪も、アッパーと呼ぶにはバランスが良くない感じでしたが、子供が生まれてからは、普通のロング・ヘアになったようです。

    白髪染めの関係かもしれませんが。

     


    超一流主義 (角川文庫)

     

    彼女が提唱した、大脳生理学に基づく「ポジティブシィンキング」も、彼女自身が 「私は120才まで生きる。そう潜在意識にインプットした。」 と言いながら、44才で乳がんを放置して亡くなったことで、信用し難くなっています。 

     


    愛のポジティブ・シィンキング (Positive Thinking)

     

    若い頃とは言え、何故私はこんな人が好きだったのかと言えば、確かに彼女には嘘も変な話も多かったけれど、本当であって欲しいと願わずにはいられないような、ワクワクしたり、元気になったりすることを沢山発信してくれたからでした。 

    たとえ本当でなくても、あの当時の若い女性が信じたい、と思うことばかりを。

     

    私が彼女を、どちらかといえば好意的に見続けていたのは、ただ著書を読み、雑誌の記事をスクラップしていただけだったからで、多分、数十万円かかったという彼女のセミナーに参加したり、更に一桁多い金額で彼女に仕事を依頼した人達は、また違った見方をしているかと思います。 

     

    彼女が亡くなった頃の2ちゃんねるに、 「斎藤澪奈子はハーレクインロマンスやコバルト文庫の作家になった方が良かった。」 というような書き込みがありましたが、私もそう思います。 

    亡くなった時、彼女の父親が、 「これであの子も嘘をつかなくてよくなる。」 と言ったという話があるようですね。 

     

    彼女は今は当たり前に見聞きする「ポジティブ シンキング」だけではなく、自分を盛りたがる人のはしりでもあったようです

     

     

    。 
    自分を「平気で盛る」人の正体 (SB新書)

     

     



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