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同年代の女性として見た森茉莉

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    JUGEMテーマ:自分を高めてくれた本

     


    恋人たちの森・贅沢貧乏 森茉莉全集 第2巻

     

     

    森茉莉は、私が10代から20代前半にかけて、かなり影響を受けた作家です。

    あの独特の美意識に、若い頃には何とかして真似したいと憧れていましたが、自分の部屋に置くとヴェルモットの壜はベルモットの空瓶でしかなく、アネモォヌを活けてみても、庭先で摘んだアネモネでしかなく、古い時代の西欧の家に誘われることはまずなかったですねぇ。

    …まあ、当然と言えば当然ですが。

     

    後に、家事は料理以外は出来ず、掃除や服の手入れが苦手だった森茉莉は、所謂汚部屋に住んでいたとか、服装も毛玉だらけの薄汚れたような色のセーターを平気で着ていたとか、他にも相当な変人だったという証言を目にすることとなったり、リアルタイムで「ドッキリチャンネル」を週刊誌で読んで、私が若かったせいもあるのでしょうが、ついていけなさを感じたりするうちに、贅沢貧乏に憧れることはなくなっていきましたっけ。

     

    今私は、文壇デビューした頃の森茉莉と同じくらいの年齢になったわけですが、同年代の女性が汚部屋暮らしで自分のことばかり滔々と語り、変人扱いされているのをどう思うかと訊かれたら、多分孤独感から鬱気味になっているのではないかと答えると思います。

    毎日喫茶店に通い、紅茶一杯で一日中ねばり、原稿を書いていたというのも、おそらく人恋しかったからではないかと…。

    どうも、森茉莉の変人ぶりについて書かれたものを読むと、自身の作品に書かれたような孤高の人ではなかったような気がしてなりません。

     

    森茉莉の、赤貧と言っていい晩年の暮らしぶりは、離婚後も働かずに父(森鴎外。鴎の字の、へんの中が『品』の字になるのですが、検索しても出てきません)の遺産を使い果たした為、ということになるのでしょうが、単なる浪費が原因とも言えなさそうなことが、笙野頼子著「幽界森娘異聞」に書かれていたと思います。

     


    幽界森娘異聞 (講談社文芸文庫)

     

    簡単に言えば、最初の離婚で婚家に残してきた長男の山田爵(本当はかんむりが木になる旧字なのですが、検索しても出て来ないので)に、森鴎外の遺産の土地と、どうやら結構な額の貯金も取られたらしいのですね。

    実は私は、このことについて森茉莉が書いた小説「曇った硝子」は読んでいないのですが、こちらのサイトに、森茉莉が編集者の小島千加子への手紙で、爵に土地を取られたことに触れた部分が紹介されています。

     

    https://vmugiv.exblog.jp/20233195/

     

    このサイトで紹介された、森鴎外とその子供に関する記述を見ると、森家といい、森茉莉の婚家の山田家といい、結構な機能不全家庭だな、と、読んでいて気が重くなりますが…。

     

     

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